2012年5月29日火曜日

田植えの時に稲株を粗く植える『疎植』

岐阜農協より
疎植にまつわるQ&A

基本的に施肥量や施肥方法を従来のやり方から変える必要はありません。省力化を目的とするならば[元肥 一発肥料]、安定多収をめざすならば[元肥+穂肥]というように、肥料設計の考え方は慣行栽培と同じです。もちろん疎植栽培は[元肥一発肥料][元肥+穂 肥]どちらでも適応します。
この点について滋賀農業総合センターでは次のように分析しています。「幼穂形成期における稈の太さは疎 植になるほど(株間が広いほど)太く、節間の伸張は疎植になるほど短くなる傾向を示したため、倒伏には強くなると推測される」。このような特質は、特に酒 米や人気品種のコシヒカリなどの長稈種の栽培において、より大きなメリットとなります。
疎植栽培の考え方の基本は、稲が育とうとする自然の力に委ねること。何かと手を加えて過保護に育てられ ると病気にかかりやすい体質になるのは人も稲も同じです。より自然に近い状態で鍛えられ、風通しと採光の良い広い株間でのびのびと育つと、稲は病気に強く 丈夫な体質に育ちます。

疎植は単純に株数そのものが減るので一見すると収量が落ちるように思われるかもしれません。しかし、疎植によって1株当たりの有効茎数が多くなり、さらに 茎そのものも太く育って維管束が大きくなるので、1穂当たりの籾数が増加し、充分な収量を確保することができます。平成15年のように低温や日照不足の影 響で全国的に作況指数が低迷する中でも、疎植栽培は「例年並みに穫れた」という声が多かった点も注目されます。

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